猟師オリオンに飛びつかんばかりに見えるこの「おうし」は、大神ゼウスが古代フェニキア王の娘であるエウローパ(ヨーロッパの地名のもと)をさらったときに変身した真っ白な「おうし」の姿である。
この「おうし」のちょうど眼の位置で輝く1等星がアルデバランである。このアルデバランとヒヤデス星団が重なりローマ字の「V」の字のかたちに見える。
まだ私が実習船の生徒だった頃、遠洋実習で天測計算(星の位置により船が地球上のどこにいるかを測定する航海術)実習の際に、教官からアルデバランを容易に見つける方法をこのように教わった。
「アルデバランはVの字なんだ。あるでヴィあらん。」
くだらなさのあまり、教官の頭を「はりせん」で叩いてやろうかと思ったが、あまりのくだらなさに、以来このアルデバラン(&ヒヤデス星団)のVの字は、夜空を見上げると最初に目に飛び込むようになった。
その他に、「しっかり仰ごう南の空」というのもあった。
南方に下った時の恒星の配置で、「シリウス、カノプス、アカーナー、フォマルハウト」、つまり「シっカりアフォごう南の空」と解する。この順番に南の空では星が輝いている。
何ごとにおいても最初の第一歩なんて所詮この程度だ。こんなくだらないことを手がかりに、いずれ地球のどこにいても星座が手にとるように解っていくものだ。
もしかすると、船乗りや本誌読者の諸兄ならば宇宙で迷子になっても簡単に地球を見つけることができるのではないだろうか。
いや〜ラッキーである。???
と、話しは逸れてしまったが、あるでヴィあらん、失礼、アルデバランのVの字の北西に目を移すと「プレアデス星団」がある。アルデバランのVの字「ヒヤデス星団」よりも明るく、ひときわ目を引く星団だ。
日本では古くからこのプレアデス星団を「すばる」と呼んでいる。そう、あの歌に登場する「すばる」のことだ。
目の悪い私としては裸眼だとこのすばる(プレアデス星団)は一つの点にしか見えない。眼鏡をかけてようやく星が集まっていることが解る。文字でいうと「V 。」という感じに見える。「。」の部分がすばるだ。
このすばるは非常に温度が高く、エネルギーの消費も膨大のため短命なのだ。
せいぜい1億年で命尽きてしまう星である。
「あ〜あ砕け散るさだめの星たちよ〜」という歌詞の一部はこれを意味しているのだろうか?
もし、谷村新二さんが本誌を読んでおられたら是非とも教えて下さい。
(本誌は読んでいるけど海の法規と知識は飛ばしてる?!!)
ところで、「すばる」とは大和言葉では「しばる」を意味する。
う〜ん、ややこしくなってきたのでもうやめよう。