![]() | インターネット・クルーズ1999年8月号 海の法規と知識 第48回 中山隆一郎 著 |
|
マリンの場合、情報収集という意味でその効果はどの程度期待できるのだろうか。 実例をもとに考えてみる。 まず、インターネットとは何かについて簡単に解説してみよう。
インターネット
もともとインターネットはアメリカが軍事目的に開発したものであり、それが世界の学術目的に利用され、現在では一般にまで広く浸透したという経緯がある。
特に、インターネットの発達段階で、これまで単に文字だけを表示させていたものから、画像が加わり、音声、映像などまでもが加わったことが一般に広く浸透させた要因の一つであることは間違いないだろう。
インターネットの具体例
厳密には、「見せる側」については更に大きく2分類に分けることができる。一つはその情報を有償で提供するもの。もう一つは無償で提供するものだ。
情報を有償で提供するものには、企業の細部に渡る情報や一般では入手し難い情報など様々なものがある。実際に調査した訳ではないが、99%以上の情報が無償で提供されているのではなかろうか。特にマリンの分野で有償となる情報を提供しているものは、私の知る限りでは一つも見あたらない。そのような意味でも、マリン関係で情報収集の手段にインターネットを使うことは非常に有意義なことだと思う。
ホームページを見る
ホームページを見るためには、まずパソコンが絶対の必需品だ。このパソコンを更にインターネットに接続する為に、接続業者に加入することも必要だ。
最近のパソコンはインターネットに接続することを前提に作られているため、インターネットに接続すること自体はあまり難しく考える必要はない。しかも、最近ではパソコン自体も非常に高性能なものが10万円を切る安値で出回っているため、もはや遠い世界のものではない。
マリン関係の具体例
・ヨット・ボートメーカー
・仲介業者
・製品のメーカー
・その他
・新しいジャンル
YAMAHA、NISSAN、SUZUKIなど、いわゆる大手企業は、ほぼ間違いなくホームページを開設している。
メーカーという性格か、その殆どが製品の情報である。逆に製品の情報ならば、かなり細部に渡る情報を入手することができる筈だ。
また、海外のヨットやボートのメーカーも、メジャー企業ならば殆どがホームページを開設している。言語の弊害はあるものの、目的としたボートやヨットの雰囲気やスペック、価格などは十分に解るはずだ。英語が解る方ならば更に楽しめることだろう。
日本では、未だ企業、個人単位でしかホームページが開設されていないが、インターネット大国アメリカでは、もはや仲介業者間同士のネットワークが出来上がっており、自分が目的とするヨットやボートのサイズ、メーカー、価格などを入力すれば、莫大なデータベースの中から該当するものだけがピックアップされ表示されるシステムも稼働している。
更に、その艇のコンディションは画像で表示され、しかもそれを取り扱っている仲介業者も表示される。
購入希望者は、その情報をもとに仲介業者に問い合わせればよいという訳だ。
インターネットの最大の特長は、データをリアルタイムに更新できるという点だ。 例えば、売約された情報などは、即座にデータベースから抹消され、更に新規の情報が入れば、即座にデータベースに登録される。従って、アクセスして検索した際に目的の物件が見つからなくても、5分後に再度アクセスして検索したら物件が見つかったなど、よくある話しだ。
世界規模の巨大ネットワークが動いていることを存分に実感できるだろう。
製品メーカーもボート、ヨットメーカーと同様に、著名企業の殆どがホームページを開設している。
製品情報や購入方法などの情報を入手するには大変便利なものである。
また、その企業によっては、製品の取扱方法、使用事例、よくある質問集などの情報提供を行う親切なメーカーも結構あるものだ。
更に、その場で購入したければ、欲しい製品を選択し、クレジットカードの番号を入力すれば数日後には製品が届き、代金は銀行口座から引き落とされるというシステムを導入しているところもある。クレジットカードの番号を教えるのが心配だという客用に、製品を代金引換郵便で郵送したり、代金は銀行送金で決済するなど様々な手段をオプションとして持っている。
特にこのようなかたちでの販売に力を注いでいるのが、メーカーよりもむしろマリン用品販売業者で、自社の持つアイテムをインターネットで公開し、店頭販売、カタログ販売に代わる第三の営業手段としてそのシェアを確実に延ばしている。
店頭で購入するにはその店頭まで足を運ばなければならない、カタログ通販ならばカタログを取り寄せなければならないなど、何れも多少なりとも不自由さがあったが、インターネットの発達によりそのような不自由さは一掃された。しかも情報が常に新鮮であることに加えて、国籍を問わずに客を獲得することができるという幅広さに大手販売企業(特に米国)は非常に力を注いでいる。
個人の趣味としてホームページが開設されているのも非常に愉快だ。例えばそれはヨット仲間であったり、ボート仲間であったりジャンルは様々だ。
そのようなホームページにはまるでお約束のように掲示板(BBS)が設置されている。
この掲示板にはお互いに気の合う者同士が自分の意見や気持ちなどを書込むことができるようになっており、相互の触れ合いの場となっている。
最近、私が見た掲示板では、「三河湾クルージングの初心者です。どのあたりが面白いか、また注意点とかをインターネットで検索中です。トヨタポーナム28で三河御津マリーナから出港しますが、おすすめのあそびポイントなどあればお教えください。」というような記事もあったりする。これに対して合ったこともない様々な方から回答がくる訳だ。
情報を収集するには格好の場所である。
世界で広く利用されているのに何故か日本は存在しない「マリンサーベイ」という業種がある。これは、高価なヨットやボートを購入する際に、購入しようと考えている艇のコンディションや不具合などを購入者に代わって調べてもらうプロがいる。マリンサーベイヤーは常に中立公平でなくてはならず、購入者のにとっては心強い味方である。
森下氏は、このマリンサーベイという業種を日本でも確立させようと尽力されている一人だ。定期的なマリンサーベイヤー養成講習会を開催し、広くに日本にも浸透させようとしている。
氏もホームページを開設されているので機会があったら訪れてみるのもいいだろう。
パソコンのマリン関連ソフト
その他、市販されているものではないが、プログラマーのヨットマン猪島建彦氏が自分が使う為に「潮汐予測ソフト "TIDE"」というものを開発し、好意でパソコンユーザーのヨット・ボートマンに無料で提供している。
これを入手するにはインターネットで猪島氏のホームページにアクセスし、そこからこのソフトを自分のパソコンに取り込むことができる。
このソフトでは、目的の場所と日付けを入力すると、たちまち潮汐予測をするというすぐれ者だ。私は随分と利用させて頂いている。
このようにインターネットのユーザーの中には非常に便利なものを営利を目的とせずに広く一般に無償提供するような方も沢山いるのだ。
パンフレットもインターネット配布
これも、インターネットを利用して、広く一般に配布することができる。
最近の主な使われ方としては、パンフレットのデジタル化だ。
これまで、店頭やボートショーなどで配られていた様々なメーカーのパンフレットもそれがデジタル化されつつあり、インターネットを利用して容易に入手することができる。
中身はこれまで配布されていたパンフレットと殆ど同じで、単にデジタル化されたというだけのことだが、実はそれが大変便利で、刷り物にしたければプリンターで印字し、さほど重要でもなければパソコンに保存しておけばよいのだ。これならば大量のパンフレットが書庫を圧迫することもなくなるのだ。
インターネットの将来
出港する前に情報を集める手段としても、艇をメンテナンスする上でもインターネットは大いに利用すべきだろう。
インターネットで注意すべきこと
電子決済も大夫進んできてはいるものの、データを盗み出す、いわゆるハッカーと呼ばれる輩も成長しているので、現在はイタチごっこが続いている。
今のところ、大手企業の導入しているシステムならば完璧とはいえないまでも、それなりにセキュリティが固められているのでいくらか安心できるが、安易にクレジットカードによる決済することは控えた方が良いかも知れない。
決済は、代金引換郵便や銀行振込ならばほぼ間違いないだろう。
恐らくインターネットで注意すべき点はこれくらいではないだろうか。
読者(船長)様へひとこと
一度もやいを離したら、あとは自然人(船長)でなければならない。
信じるべきものは己の経験と五感のみである。
便利さは安全とは一線を画すものである。
その意識がないのならば、クルージングは、インターネットというバーチャルの海においてすべきである。
常に命がけの遊びをしている自覚を忘れないで頂きたい。
車の運転も同じだが.....
|
![]() Homepage へ戻る | ![]() 全国の書店で発売中 \800 発行:株式会社マリンネットワークス 〒102-0074 東京都千代田区九段南4-3-4 TEL 03-3239-9491 |