![]() | 免税軽油1999年9月号 海の法規と知識 第49回 中山隆一郎 著 |
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ご存じのとおりガソリンには「揮発油税」(その他消費税等)が課せられて市場に出回り、末端消費者は購入価格の約半分を何がしかの税というものを知らずうちに支払っている。軽油もまた同じように末端消費者に到達するまでに様々な税を支払っている。そのうち一番大きなウエイトを占めているのは「軽油引取税」だ。 この「軽油引取税」というものを船舶は支払う必要が無いということをまずは知っておこう。
軽油引取税
ところで、軽油引取税は何のために徴収する税金なのだろうか。地方税法第700条にはこう記されてある。
これは、道路整備(県道等)の費用なのだから使用者、つまり車の利用者に負担して頂こうというものである。
かつては軽油の扱いは、その目的に関わらず、簡単にいえばミソクソ状態であった。
つまり、車であろうが船であろうが細かい線引き無しに道路整備の財源に充てられていたわけだ。
ボートユーザーにとってはたまらない。海の整備に充てる財源ならば納得もいくが、道路とはおよそ縁の無い船舶が、なんで道路整備の財源として税金を徴収されなければならないのだという矛盾は責められて当然のこと。
そこで、船舶が使う軽油に関しては税金の徴収はしないことに法が改正されたという過去の経緯があった。
船舶以外にも、道路使用とは無縁のものに関しては、船舶と同様に税金の徴収を受けない。具体的なものを列記してみよう。(地方税法第700条の5、6)
いずれも道路整備による恩恵を受けないものばかりだ。船舶のうち特筆すべき点として、「船舶の動力源」についてだが、これは主機関の他に例えば発電機に使用するものについても同様に扱われる。つまり免税だ。もっとも個別に扱われても燃料タンクは同じなのだから負担する率など計測しようもないが...。
税額
これは高い。多少の税金くらい余計に払っても別に構わないさ、と笑って済ませてしまう程度の金額ではない。ボートが大好きで毎週のようにクルージングしているような方ならば、場合によっては、支払った軽油引取税が係留費用に相当するくらいの金額になってもおかしくない。これは極端な例だが、100フィートクラスのメガヨットと呼ばれる大型クルーザーならば、軽油引取税は何十万円という金額になるのだ。
さて、それでは免税軽油を取り扱うための一連の流れを見てみよう。
免税軽油使用者となる
免税軽油使用者証交付申請書に上記の添付書類を添えて提出すると、直ちに審査が行われ、必要に応じて追加書類の提出を求められたりする。また、これらの書類に誤りや偽りがないかなどを確認するために担当者が設備(ボート、機関)を確認しにボートに行くことがある。勿論、その際には申請者が立ち合わなければならない。
なお、この免税軽油使用者証の有効期限は2年間なので、有効期限満了後には、新たに同様の手続きをとらなければならない。
免税証交付申請書を提出し免税証が交付される
なお、この将来使用する量の見込みをたてる際に、免税軽油使用者証の有効期限が2年間だからといって2年分の免税証をまとめて交付してくれることはない。長くても1年間分、短ければ3ケ月分、6ケ月分となる。これも各都道府県税事務所もしくは担当者次第というのが結論だ。
免税証の交付を申請するにあたっては下記の書類が必要になる。
この際に特に注意する点は、自分のボートの性能を知っていなければならないことだ。
自分のボートの燃料消費量は計算により求められる。この計算方法をこれから解説しよう。
燃料消費量(ディーゼル機関)
これが基本の計算式だ。
数値の算出で一番機関の特性が現われるのは燃料消費率である。この燃料消費率は、1時間で1馬力当りに必要な燃料をグラムで表示しているものだ。これは、機関の出力比により大きな差異はあるが、一般的には150〜250g/PShである。例えばM社の600馬力(PS)ならば152g/PShであり、m社の240馬力(PS)ならば167g/PShである。この燃料消費率は低ければ低いほど燃費がよいことになる。
また、燃料比重は軽油の場合0.81〜0.85である。
これらの要件をもとに計算例をあげてみよう。
(例)
燃料消費量(1時間当り/P)=240PS×167g/PSh÷0.83÷1000=48.2891P/h
よって、このボートは全速力で1時間当り約48Pの燃料が必要となる。
厳密には、この計算式の他に付帯要素は多分にあるが、おおよその数値を出すならばこれで十分であろう。また、機関の出力を80%に抑えたときの燃料消費量は、この48Pに80%を乗じればこと足りる。
参考までに、特に大型挺の場合、プロペラのスリップ率にもよるが、燃料消費量は速力の2乗に比例する。2倍ではなく2乗ですぞ。例えば25ノットでるボートが速力を20ノットに抑えたらもの凄い燃料の節約になることをよく覚えておいて頂きたい。
軽油を免税で購入する
有効期限の過ぎた免税証を返納する
期間中に免税証が不足していたならば、当然追加交付を受けている訳であり、次の申請時には常に免税証を返納をすることになる。このとき無効となった免税証は自分で勝手に処分してはいけない。いつ、誰から、どれだけの軽油を取り引きしたかを一覧表にし、余った免税証と併せて提出(報告)しなければならない。従って、燃料補給の都度、領収書は必ず発行してもらい、報告が済むまで大切に保管しておかなければならない。
法令違反
(地方税法第700条の16)
(地方税法第700条の18、19)
悪気はないのだが勘違いしやすいことがある。それは、免税証を他の船舶で使うことだ。
自分は自分のボートで免税軽油使用者の資格を受け、自分が持つもう一つのボートや他人から借りたボートに燃料補給をするとこれは違反になる。
免税証が使えるボートはあくまでも免税軽油使用者証に記載されてある船舶に対してのみ効力があるものであり、免税軽油使用者証に記載されていないボートは、例えそれが自分の所有するボートであっても免税証を使って免税軽油を補給することはできないので是非とも注意して頂きたい。
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